覚書

宗教的経験の諸相 W・ジェイムス著 桝田 啓三郎訳 岩波文庫より

P.153

 この観点から私たちは、すべての聖徒のうちに見いだされる人間的な慈愛、また、ある聖徒たちに見られる過剰な慈愛こそ、真に創造的な社会的力であり、ある種の徳の実現が彼らの人間的慈愛によってのみ可能になるものであることを、認めることができるのである。聖徒たちこそ善の創造者であり、作者であり、増進者である。人間の魂の持つ発展の可能性は測り知れない。取り返しがつかないほど強情になってしまったと思われた多くの人々が、事実、心を和らげられ、回心させられ、再生させられてきたのであって、それも見る人々を驚かせたというより以上に当人自身をびっくりさせるような変わり方で、したがって私たちは愛の力によって救われる望みがないなどとは、何人についても前もって確信することはできないのである。

コメントを残す